Lightroom ClassicのAIノイズ除去を使いたいものの、「処理に何分もかかるのでは?」「自分のパソコンでも動く?」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Sony α7 IVで撮影した約33MPのRAW写真を使い、Lightroom ClassicのAIノイズ除去にかかる時間を実測しました。
検証環境:Core i7-13700FとGeForce RTX 3060を搭載したWindowsPC
処理時間:平均15秒(ノイズ除去量50)
結論から言うと、この構成ならα7 IVのRAWを1枚ずつ処理する用途で「重すぎる」と感じる可能性は低いです。一方、大量の写真へまとめて適用する場合は、待ち時間とGPU性能を意識する必要があります。
この記事では、実測結果と画質の変化、AIノイズ除去の使い方、必要なPCスペック、処理が遅いときの確認ポイントを解説します。
この記事の検証結果
Sony α7 IVのRAW(7008×4672・ISO 1600)にノイズ除去量50を適用。Core i7-13700FとGeForce RTX 3060の環境では、3回とも15秒で完了しました。
Lightroom ClassicのAIノイズ除去とは
AIノイズ除去は、機械学習を利用して写真のノイズを減らしながら、被写体の輪郭や細部をできるだけ残す機能です。
従来のノイズ軽減も便利ですが、強く適用すると細部が失われ、全体がのっぺり見える場合がありました。AIノイズ除去は画像の内容を解析するため、暗部のざらつきを抑えながら、建物や髪の毛、風景の細かな質感を残しやすいのが特徴です。
特に効果を感じやすいのは、次のような写真です。
- 夜景や星空など、暗い場所で撮影した写真
- ISO感度を上げて撮影した写真
- 水族館、ライブ、室内スポーツなど光量が少ない場面
- 露出補正やシャドウ補正で暗部を明るくした写真
- 古いカメラや小型センサーで撮影したRAW写真

Adobeの公式ヘルプによると、ノイズ除去は対応するRAW、リニアDNG、Apple ProRAWなどに適用できます。JPEGへ同じAIノイズ除去を適用する機能ではないため、撮影時にRAWを保存しておくことが重要です。
AIノイズ除去の検証環境
今回使用した写真とパソコンの条件は以下のとおりです。
| 項目 | 検証条件 |
|---|---|
| 使用ソフト | Adobe Lightroom Classic |
| カメラ | Sony α7 IV |
| ファイル形式 | RAW(.ARW) |
| 画像サイズ | 7008×4672ピクセル(約33MP) |
| ISO感度 | ISO 1600 |
| CPU | Intel Core i7-13700F |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 3060 |
| AIノイズ除去量 | 50 |
| 測定回数 | 3回 |
テスト写真は、夜の街並みを撮影したRAWデータです。明るい車のライトと暗い空、山、橋の影が同居しているため、暗部のノイズと細部の残り方を確認しやすい条件になっています。

AIノイズ除去の処理時間は3回とも15秒
同じRAW写真にノイズ除去量50を設定し、処理時間を3回測定しました。
| 測定 | 処理時間 |
| 1回目 | 15秒 |
| 2回目 | 15秒 |
| 3回目 | 15秒 |
| 平均 | 15秒 |
3回とも15秒で完了し、測定ごとのばらつきはありませんでした。
約33MPのα7 IV RAWを1枚処理するだけなら、待ち時間はそれほど気になりません。写真を選び、別の補正内容を確認している間に終わる程度です。
ただし、枚数が増えると合計時間も長くなります。単純計算では10枚で約2分30秒、100枚で約25分です。実際の時間は一括処理の動作、バックグラウンド処理、パソコンの温度、同時に開いているソフトなどによって変わるため、目安として考えてください。
今回の結果から、RTX 3060はLightroom ClassicのAIノイズ除去を日常的に使える性能があると判断できます。少なくとも、α7 IVのRAWを数枚ずつ仕上げる使い方なら、AIノイズ除去のためだけにGPUを買い替える必要性は低いでしょう。
AIノイズ除去前後の違い
今回の写真はISO 1600なので、全体表示ではノイズ除去前後の差が極端には見えません。違いを確認するときは、100%まで拡大し、暗い空や山、橋、建物の影などを見るのがおすすめです。
<AIノイズ除去後・全体>

AIノイズ除去後は、暗部の細かなざらつきが抑えられ、明暗差の大きい夜景でも見やすくなります。一方で、ISO 1600のα7 IVは元の画質にも余裕があるため、スマートフォンサイズで見るだけなら違いが分かりにくいこともあります。
比較画像は100%拡大で確認する
ノイズ除去の効果を正しく比較するには、同じ場所を同じ倍率で切り出すことが大切です。
確認するポイントは次の3つです。
例
- 暗い空の粒状感が減っているか
- 山の稜線や建物の輪郭が不自然に溶けていないか
- 色ノイズが抑えられ、色むらが減っているか
ノイズが減っていても、細部まで滑らかになりすぎている場合は適用量が強すぎます。最初は40〜50前後から試し、写真に合わせて調整するのが無難です。
Lightroom ClassicでAIノイズ除去を使う手順
AIノイズ除去は、次の手順で適用できます。
- Lightroom ClassicへRAW写真を読み込む
- 「現像」モジュールを開く
- 右側の「ディテール」パネルを開く
- 「ノイズ除去」を選択する
- プレビューを確認しながら適用量を調整する
- 「強化」を選択して処理を開始する
今回の検証では、適用量を50に設定しました。
夜景や高感度写真では50を基準にし、次のように調整すると分かりやすいです。
| 写真の状態 | 適用量の目安 |
| ISO感度が低く、ノイズが少ない | 20〜40 |
| 夜景やISO 1600〜6400前後 | 40〜60 |
| 強いノイズがある | 60以上を試し、細部も確認 |
数値は絶対的な正解ではありません。カメラ、露出、被写体、補正量によって見え方が変わるため、必ず100%表示で確認してください。
LightroomのAIノイズ除去に必要なPCスペック
AIノイズ除去は、CPUだけでなくGPUを集中的に利用する処理です。Adobeが案内しているWindows版Lightroom Classicの推奨構成には、次の内容が含まれています。
| 部品 | Adobeの推奨構成 |
| メモリ | 16GB以上 |
| GPU | DirectX 12対応 |
| AI機能向けGPUメモリ | 専用GPUメモリ8GB、または共有メモリ16GB |
| ストレージ | 高速SSD |
参考:Adobe公式「Lightroom Classicの必要システム構成」
今回使用したRTX 3060では、α7 IVのRAWを15秒で処理できました。ただし、同じRTX 3060でもGPUメモリ容量、ノートPC版とデスクトップ版、冷却性能などによって処理時間は変わる可能性があります。
PCのCPU・メモリ・GPU選びを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

GPUが正しく認識されているか分からない場合は、DirectXとVRAMを確認しておきましょう。
AIノイズ除去が重い・遅いときの対処法
AIノイズ除去に数分以上かかる場合は、次の項目を順番に確認してください。
Lightroom ClassicとGPUドライバーを更新する
AI機能の速度や対応GPUは、Lightroom Classicのアップデートで改善されることがあります。Lightroom Classic本体と、NVIDIA・AMD・IntelのGPUドライバーを最新の安定版へ更新しましょう。
GPUアクセラレーションを確認する
Lightroom Classicの「環境設定」から「パフォーマンス」を開き、GPUが認識されているか確認します。
GPUが無効になっていたり、互換性エラーが表示されていたりすると、AIノイズ除去の処理が極端に遅くなる可能性があります。
他の重いソフトを終了する
ゲーム、動画編集、生成AIなど、GPUメモリを大量に使用するソフトを同時に開いていると処理速度が低下します。AIノイズ除去をまとめて実行するときは、不要なソフトを終了しておきましょう。
RAWとカタログをSSDに置く
AIノイズ除去そのものはGPU負荷の大きい処理ですが、RAWの読み込みや処理結果の保存にはストレージも使用します。HDDや遅い外付けドライブを使っている場合は、作業中のRAWとLightroomカタログをSSDへ置くと全体の待ち時間を減らしやすくなります。

一度に処理する枚数を減らす
大量のRAWへ一括適用すると、GPUメモリやパソコンの温度によって速度が低下する場合があります。処理が安定しないときは、10〜20枚程度に分けて実行してみてください。
AIノイズ除去は無料版やスマホでも使える?
今回検証したのは、Windowsパソコン上のLightroom Classicです。
Lightroom Classicはデスクトップ向けの有料プランに含まれるアプリで、スマートフォン向けLightroom無料版とは機能構成が異なります。そのため、「スマホ版Lightroomで使える機能」と「Lightroom Classicで使えるAI機能」は分けて考える必要があります。
Lightroomの無料版と有料版の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

プラン内容は変更されることがあるため、契約前にAdobe公式ページで最新情報を確認してください。
AIノイズ除去はどんな人におすすめ?
Lightroom ClassicのAIノイズ除去は、次のような人に向いています。
- 夜景、星空、水族館、室内スポーツをよく撮影する人
- ISO感度を上げる場面が多い人
- 暗部を持ち上げてRAW現像する人
- 古い写真や高感度写真をきれいに仕上げたい人
- 外部ソフトを増やさず、Lightroom内で現像を完結したい人
反対に、明るい場所で低ISOの写真しか撮らない場合は、毎回使用する必要はありません。AIノイズ除去は処理時間がかかるため、ノイズが気になる写真だけに使う方が効率的です。
よくある質問
RTX 3060でLightroomのAIノイズ除去は快適ですか?
今回の検証では、Sony α7 IVの約33MP RAWを3回処理し、すべて15秒で完了しました。1枚ずつ処理する用途では、十分実用的な速度です。
ISO 1600でもAIノイズ除去を使う意味はありますか?
α7 IVではISO 1600でも比較的きれいに撮影できますが、夜景の暗部を明るく補正するとノイズが目立つ場合があります。全体表示では差が小さくても、100%表示や大きなモニター、印刷では効果を確認しやすくなります。
JPEGにもAIノイズ除去を使えますか?
LightroomのAIノイズ除去は、対応するRAW形式を対象とした機能です。JPEG中心で撮影している場合は、通常のノイズ軽減など別の補正方法を使用します。
AIノイズ除去量は100にした方がきれいですか?
強くすれば必ず自然に仕上がるわけではありません。適用量を上げすぎると、細部が滑らかになりすぎる場合があります。まず40〜50前後で試し、100%表示で細部を確認するのがおすすめです。
まとめ:α7 IVとRTX 3060ならAIノイズ除去は15秒
Sony α7 IVのRAW写真を使い、Lightroom ClassicのAIノイズ除去にかかる時間を検証しました。
結果は次のとおりです。
- RAW画像は7008×4672ピクセル、ISO 1600
- CPUはCore i7-13700F
- GPUはGeForce RTX 3060
- AIノイズ除去量は50
- 3回とも処理時間は15秒
この環境なら、α7 IVのRAWを1枚ずつ処理する用途で大きなストレスはありません。夜景や高感度写真を撮る人にとって、外部ソフトを追加せずLightroom Classicだけで画質を改善できる便利な機能です。
処理に数分かかる場合は、GPUの認識、GPUメモリ、ドライバー、SSD、同時に起動しているソフトを確認してみてください。

