α7 IV(ILCE-7M4)のメモリーカードは、写真中心ならUHS-IIのV60、XAVC S-IまでSDカードで撮るならV90、S&Qを含めて記録方式の制約を減らしたいならCFexpress Type Aを基準に選ぶと整理しやすくなります。
α7 IVはSDのUHS-I/UHS-IIに対応し、スロット1ではCFexpress Type Aも使えます。ただし動画は「4Kだから高速カード」という決め方では不十分です。記録方式とS&Q設定によってV30・V60・V90・CFexpress Type A VPG200以上と必要条件が変わります。
本記事では、Sony公式仕様と互換情報をもとに、α7 IVで使うSDカードを用途別に整理します。
V60・V90・CFexpress Type Aとは?
V60とV90は、SDカードの動画撮影時に最低限維持できる書き込み速度を示す「ビデオスピードの規格」です。
- V60:最低書き込み速度60MB/秒を保証
- V90:最低書き込み速度90MB/秒を保証
数字が大きいV90のほうが、より高速な書き込みを必要とする動画記録に対応できます。ただし、写真撮影が中心なら「V90のほうが速いから必ずV90を買うべき」というわけではありません。使用する動画の記録方式によって必要なクラスが変わります。
一方、CFexpress Type AはV60やV90の上位規格という意味ではなく、SDカードとは別のメモリーカード規格です。対応カメラでは、高い書き込み性能が必要な動画撮影などで使われます。
つまり、α7 IV用のカードを選ぶときは、単純な速さ比べではなく、「SDカードのV60で足りるのか、V90が必要なのか、それともCFexpress Type Aが必要な撮影をするのか」を考えると選びやすくなります。
先に結論:V60・V90・CFexpress Type Aの3段階で選ぶ
| 候補 | 規格・容量 | 向いている使い方 | 注意点 |
| Sony SF-M256T | SDXC UHS-II / V60 / 256GB | 写真中心、通常のXAVC S 4K・XAVC HS 4K、対応範囲のS&Q | XAVC S-I 4KはV90以上が必要 |
| Sony SF-G256T | SDXC UHS-II / V90 / 256GB | 写真+XAVC S-I 4K | 一部のS&Q設定ではCFexpress Type Aが必要 |
| Sony CEA-G240T | CFexpress Type A / VPG400 / 240GB | 高負荷な動画やS&Qまで広く使う | スロット1専用 |
写真中心で動画も通常のXAVC S 4KやXAVC HS 4K程度なら、V60のSF-M256Tが選びやすい候補です。XAVC S-I 4KをSDカードへ記録したいならV90のSF-G256Tへ上げます。
S&QでXAVC S-I 4Kを使う場合は、設定によってSDXC V90では足りず、CFexpress Type A VPG200以上が必要です。その条件を使う予定があるならCFexpress Type Aを選ぶ理由があります。
α7 IVの2つのカードスロットは対応メディアが違う
ソニー公式仕様では、スロット1はSD(UHS-I/UHS-II)とCFexpress Type Aの兼用、スロット2はSD(UHS-I/UHS-II)のみです。CFexpress Type Aを2枚同時に入れることはできません。
静止画はCFexpress Type A、SD/SDHC/SDXCのいずれも使用できます。カード選びの差が大きくなるのは、高ビットレート動画やS&Q、連写後の書き込みを重視するときです。
CFexpress Type Bは使用できません。「CFexpress」だけを見て購入せず、Type Aであることを確認してください。
出典:Sony α7 IV ヘルプガイド、Sony α7 IV 主な仕様
動画はV30・V60・V90のどれが必要か
通常動画のXAVC HS 4KとXAVC S 4Kは最大200Mbpsで、ソニーはSDHC/SDXCのU3/V30以上を対応条件としています。XAVC S HDも基本はU3/V30以上です。
一方、XAVC S-I 4Kは最大600Mbpsで、SDカードならSDXC V90以上が必要です。XAVC S-I HDもV90以上が条件です。
| 撮影内容 | SDカード条件 | CFexpress Type A |
| XAVC HS 4K / XAVC S 4K 通常動画 | U3/V30以上 | 使用可能 |
| XAVC S HD 通常動画 | U3/V30以上 | 使用可能 |
| XAVC S-I 4K / HD | SDXC V90以上 | VPG200以上 |
| XAVC HS 4K / XAVC S 4KのS&Q | SDXC V60以上 | VPG200以上 |
| XAVC S-I 4KのS&Q | V90以上が基本。一部設定はCFexpress必須 | VPG200以上 |
特に注意したいのはS&Qです。XAVC S-I 4Kで、記録フレームレート30p/25p/24p、フレームレート60fps/50fpsのスローモーション記録では、ソニーはCFexpress Type A VPG200以上を必要条件としています。
したがって、V90ならα7 IVの全動画設定をSDカードだけで使える、とは言えません。 通常動画が中心か、該当するS&Qまで使うかでV90とCFexpress Type Aの境目が決まります。
出典:Sony α7 IV ヘルプガイド「使用できるメモリーカード」
おすすめ1:Sony SF-M256T|写真中心+通常4Kなら選びやすいV60
SF-M256Tは256GBのSDXC UHS-IIカードです。公式仕様は最大読み出し277MB/s、最大書き込み150MB/s、V60。α7 IVの互換情報にも掲載されています。
V60なので、通常のXAVC S 4K・XAVC HS 4Kに必要なV30以上を満たし、これらのS&Qで示されるV60以上にも対応します。一方、XAVC S-I 4KをSDカードへ記録するにはV90以上が必要なので対象外です。
写真が中心で、動画はXAVC S 4KやXAVC HS 4Kを使う人なら、必要以上に上位規格へ上げずに済みます。最初からXAVC S-I 4Kを使うなら次のV90を選ぶ方が用途に合います。
製品仕様:Sony SF-Mシリーズ タフ仕様
おすすめ2:Sony SF-G256T|XAVC S-I 4KまでSDで撮るならV90
SF-G256Tは256GBのSDXC UHS-IIカードでV90に対応します。公式仕様は最大読み出し300MB/s、最大書き込み299MB/s。α7 IVの互換情報にも掲載されています。
V90の利点は、通常動画のXAVC S-I 4KをSDカードへ記録できることです。写真と動画を1種類のSDカードで運用し、スロット1・2のどちらにも挿せる構成にしたい場合にも扱いやすくなります。
ただしV90でも、XAVC S-I 4Kの一部S&Q設定はCFexpress Type Aが必要です。「通常動画ではXAVC S-Iを使うが、該当S&Qまでは使わない」という人に向く位置づけです。
製品仕様:Sony SF-Gシリーズ タフ仕様
おすすめ3:Sony CEA-G240T|S&Qまで制約を減らすCFexpress Type A
CEA-G240Tは240GBのCFexpress Type Aカードです。2026年9月時点でソニーの現行CEA-Gシリーズに掲載され、α7 IVの互換情報では使用可能と確認できます。公式仕様はVPG400、最低持続書き込み400MB/sです。現行の240GBモデルはCFexpress 4で、最大読み出し1800MB/s、最大書き込み1700MB/sと案内されています。
α7 IVが高負荷な動画で要求するCFexpress Type Aの条件はVPG200以上なので、その条件を満たします。SDXC V90では対応できないXAVC S-I 4Kの一部S&Q設定を使う場合に選択理由が明確です。
注意点はスロット1専用であることです。写真中心で高負荷な連写や動画設定を使わないなら、CFexpress Type Aを必須と考える必要はありません。
製品仕様:Sony CEA-Gシリーズ
互換情報:ILCE-7M4 CFexpressメモリーカード互換情報
写真の連写を重視するならCFexpress Type Aにも意味がある
動画をほとんど撮らない人でも、連写後の待ち時間を重視するならCFexpress Type Aは候補になります。ソニーはα7 IVについて、CFexpress Type A使用時に非圧縮RAW+JPEGで約828枚、圧縮RAW+JPEGなどの条件では1000枚以上の連続記録が可能と案内しています。これはソニー所定条件での値であり、この記事独自の実測ではありません。
一方、旅行や風景、ポートレートなどで数枚ずつ撮る使い方なら、この連写性能だけを理由にCFexpress Type Aへ上げる必要性は低くなります。写真中心でも「高速連写を長く続けるか」が、V60/V90のSDカードとCFexpress Type Aを分ける判断材料です。
出典:Sony α7 IV 特長:高速撮影・CFexpress Type A
128GB・256GB・512GBはどう決めるか
容量は撮影内容とバックアップ方法で決めます。動画ではビットレートから大まかな必要量を計算できます。
200Mbpsは単純換算で1秒25MB、1時間で約90GBです。600Mbpsなら1秒75MB、1時間で約270GBです。これは映像ビットレートだけから求めた理論値で、実際の使用可能容量や音声・管理情報などを含む実記録時間とは一致しません。
この目安では、200Mbps級の動画を長めに撮ると128GBは余裕が小さくなります。写真と動画を混在させるなら256GBは扱いやすい候補です。長時間動画なら512GB以上も検討できますが、1枚へ集中させるか複数枚へ分散するかはバックアップ運用も含めて決めます。
重要なのは、容量と速度クラスを別々に確認することです。256GBでもV60ならXAVC S-I 4Kの条件を満たさず、V90でも一部S&QではCFexpress Type Aが必要です。
2枚運用は「同時記録する内容」から決める
α7 IVは2枚へ同時記録したり、静止画と動画を振り分けたりできます。写真のバックアップを重視するなら、同等クラスのSDカードを2枚使う構成は分かりやすい方法です。
CFexpress Type A+SDカードでは規格と速度が異なります。高負荷な動画を2枚へ同時記録する場合は、両方がその記録方式の条件を満たすか確認してください。
動画を2枚へ同時記録するときはファイルシステムにも注意が必要です。ソニーはCFexpress Type AとSDXCをexFAT、SDHCをFAT32としており、異なるファイルシステムの組み合わせでは動画を同時記録できないと案内しています。
初めてカードを使うときは、ソニーはカメラ側でのフォーマットを推奨しています。フォーマットすると保存済みデータは消えるため、必要なデータを退避してから実行します。
UHS-IのV30をすでに持っているなら買い替え必須ではない
α7 IVはUHS-Iにも対応しています。通常のXAVC S 4KやXAVC HS 4Kなら、公式条件を満たすU3/V30カードを使用できます。
そのため、信頼できるV30カードをすでに持っていて、使う記録方式が条件内なら、この記事の3製品へ必ず買い替える必要はありません。新規購入でUHS-IIを候補にするのは、より上位の動画設定、PCへの転送、連写後の書き込みなども含めて余裕を持たせたい場合です。
カード記載の「最大読み出し」「最大書き込み」はメーカー所定条件での値で、α7 IVで常時その速度が出る保証ではありません。動画可否の判断では最大速度より、ソニーが示すV30/V60/V90/VPGの条件を優先して確認する方が安全です。
購入前に確認する3項目
- カメラの[記録方式]でXAVC HS / XAVC S / XAVC S-Iのどれを使うか確認する。
- S&Qを使うなら、記録フレームレートとフレームレートまで確認する。
- V60で収まるならSF-M256T、通常のXAVC S-IまでならSF-G256T、CFexpress必須条件を使うならCEA-G240Tを候補にする。
写真中心ならV60から検討し、必要な動画設定が増えたときだけV90やCFexpress Type Aへ上げるのが無駄の少ない選び方です。撮影現場で記録方式を頻繁に変え、S&Qの制約を避けたいなら、最初からCFexpress Type Aを用意する方が設定確認の手間を減らせます。
